このページでは論文のお作法 で紹介したお作法からさらに「より良い文章を記述するための」詳細なお作法を紹介します。かなり具体的な事例となりますが、「なぜそうするのか?」を中心に記述しますので、「なぜ」をよく把握してください。具体的なお作法自体はその「なぜ」に対応できていれば異なっていても構いません。
先行研究や作品を引用する際に、その作品やシステムに名称が付けられているとそれらを言及することがあると思います。例えば「Smithらが制作した作品hogehogeでは、、、」このような場合、hogehogeはイタリック(hogehoge)で表記することで一般名称とは異なることが即座に理解できます。一般名称ではない明らかな名称の場合はこのような配慮は不要ですが、例えば 「Smithらのsurfaceでは」、という記述の場合、surfaceが何を指すのか少し理解しづらくなります。ひょっとするとMicrosoft社のsurfaceかもしれないですし、英語で記述している場合は一般名詞のsurfaceとの違いがわからなくなります。
このように記述すると、Smithらは surfaceという名前のシステムを作成したことが即座に理解できます。
Reference(文献引用)とfootnote(脚注)の使い分けは以下のとおりです。
つまり自身の論文の議論を成立させるうえで必要不可欠なのが文献引用、必要不可欠ではないが補足する情報は脚注にします。一方で文献引用と表記されるとおり、論文や書籍の場合は例えばそれが脚注情報だったとしても文献引用として扱うのが一般的な風習ですので、その点は注意してください。
「hogehogeら[1]によると」、このような形で引用される文章をよく目にすると思います。例えば私の名前 Tetsuaki Baba で考えた場合
さて、どれがよいかというと3番となります。一般的な学術スタイル(APA, MLA)では名字で引用することが標準とされています。フルネームだと表記が冗長になるので避けた方がよいのはすぐ分かりますが、ではなぜFirst nameは利用しないのでしょうか?
慣例的な理由もありますが、last name(名字)にしておくと、家族名は世代を超えて変わりにくく、安定した識別基準となるためです。
hogehogeら[引用番号]によると、といった記述方法に代表される引用方法ですが、この[引用番号]を文章中のどこに挟むかは、文章の内容によって異なります。次の場合を考えてみます。
上記のどちらが文章としてよりよく伝えることができているでしょうか?どちらも論文での記載方法としてよく見る形式ですが、前者は誤りではありませんが、後者の方が報告されている内容に対して文献番号が引かれているため、内容の把握が容易になっているのがわかります。
一方で次のケースはどうでしょうか?
文脈的には馬場の文献が5, 林の文献が6と分かりますが、前者の方が理解が容易になります。引用番号を挿入する際にも必ずどの文章位置に挿入するのが適切かを忘れないようにしてください。もちろん後者も間違いではありません。