Design With Prototyping

Design With Prototypingは未完成教材です.

デザインや作品作りに必要なプロトタイピング能力とはどのようなもので,何を学習すればよいのか. その問に対して,一つの教材を作ってみることにしました.私の大好きな

に倣って,「デザイン・ウィズ・プロトタイピング」としました.コンピュータでデザインすることが当たり前に なった現在において,そのデザインの大衆化から「デザイナーの大衆化」が進んできました.誰もがデザインを プロダクトとして享受できる時代から,「誰もがデザインをプロダクトする時代」に変わってきました.

この背景において,これまでデザインやアートを支えて来た「造形力」の意味には,クラフト的な要素だけではない, 数理的センスやプログラミング能力を含んだ多様性が生じてきています.今や〇〇デザイナーと肩書を持つ人の中に美大で造形力を鍛えた ことのない人が多くいることが,その証明になっています.そういう私もデッサンは大学で少しかじった程度です.

造形力と言ってしまうと,字体に引っ張られて絵や立体物の構築をイメージしてしまうかもしれませんが, この造形力を「創造力」として捉えることで,いまのデザインの重要性が見えてくる気がします.デザイナーやアーティストが 作り出すものは,単なるモノではなく,モノを通じて,もしくはモノをメディアとしてメッセージを発信することができます.

私の大好きな現代作家である藤浩志さんの代表的な作品でもある,かえっこでは, 子どもたちが使わなくなったおもちゃを持ち込むことで,別のおもちゃ(別の子どもたちによって提供されたおもちゃ)と交換できるものです.UselessなモノをUsefulなモノに変えてしまうシステムであり,システム自体が作品となっています.そのシステムを メディアとして作家のメッセージが発信されています.モノを作り出すことが必ずしも必要ではなく,コトを生み出すことで, 価値転換を生じさせる素晴らしい作品です.ただ,これを始めるためには,ベースとなるおもちゃストックが必要であり, モノがあることで,作品の原動力を作り出せていると言えます.

百聞は一見にしかず,論より証拠,Experience Designなど,私達の多くは体験をベースに価値を決定しています. 「一度どやってみるといいよ」,「今度一緒にいこうよ」,「聞いただけじゃこれはわかんないよ」といった平易な言い回しも よく耳にします.どんないいアイデアでも具体化できなければそれは机上の空論と言われてしまいます.噂で聞いてはいたけれど,実際 体験してみたことで価値観がガラッとかわった.こんなこともみなさん体験あるのではないでしょうか?

この教材では,最初の原動力としての価値づくりを行うための手法,プロトタイピングに焦点をあて,誰かに言われて 作るのではない,自分が楽しみながらものを踏み出すプロトタイピングの世界を広げたいと思います.最後にLinux開発者で ある,ライナス・トーバルズの著者タイトルを.

「Just for Fun(それが僕には楽しかったから)」 by Torvalds, Linus.

誰かに言われて作るより,自ずからなにかを作り出す力をこの教材をきっかけとして身につけて貰えれば幸いです.

  • lecture/design_with_prototyping/00.前書き.txt
  • 最終更新: 2018/10/12 10:10
  • by baba